中国市場における車の並行輸入の可能性、各地がこの巨大市場に意欲を示す

並行輸入車市場は規制が緩むという兆しが出ているという。9月末、北京亜運村自動車交易市場は中国人民保険会社と協力して、新しいタイプの自動車保険を打ち出し、「当市場独自の輸入車販売エリア」を設けた。1万億人民元(日本円にして17兆円)の規模と言われる中国の並行輸入車市場について、上海自由貿易区の試行法案も商務部に正式に上程されるほか、張家港、成都等の地域もいよいよ動き出す。

中国の並行輸入車とは、国内総代理店以外のルートで輸入される外国車で、販売店は、総代理店を経由せず外国車、主に米国と欧州からの車を国内に持ち込み販売することができ、中国は一般的に正規輸入車より15~20%安いと言われている。しかし一方で、正規輸入車は正式に認められていないのである。2005年頒布された「ブランド車販売管理実行方法」では、外国車生産企業の中国国内販売については、必ず国内企業に授権するか、中国国内に法人を設置し販売責任を取らなければならないと規定している。しかし、国家工商総局は10月1日より、自動車総代理店及び授権代理店の登録(備案)を中止すると発表した。並行輸入車市場にとっては、これを規制緩和の動きと見る憶測が広がっているという。

関係者によると、自動車販売市場と保険会社が提携すれば、並行輸入車は一定の参入空間をもたらしてくれる。並行輸入車の最大の強みは価格が割安であることだが、アフターサービス面に弱点を抱えている。しかし、中国人民保険公司のような国営保険会社の参入によって、購入者の不安は解消されると考えられている。関係者によると、「米国基準の車は中国基準に合わせて改装するのは比較的簡単で、コストもそれほどかからない。改装しても4S販売店より安い。」という。
中国自動車流通協会輸入車工作員会によると、昨年、中国の並行輸入車の販売量はおよそ8万台で輸入車全体の7%を占めている。(金額ベースでは、全体の約12%と推定される。)今年は明らかな増加傾向にあり、去年より30%以上増えると予測されている。

関連部品も含めての並行輸入貿易の可能性を睨んで、張家港保税区や成都国際輸入車センターなども前向きに検討している。しかし、北京亜運村自動車交易市場と中国人民保険の試みは今後更に広がるかどうか、関係者たちも依然として慎重な態度を示しているが、一気に全ての障害が消えることはないと、その多くが慎重な見方をしている。今後、並行輸入車は中国では3C認証を取得しなければならず、中国基準のプレートを取得するためにはVINコード認証を得る必要があるのだ。これらに費やすための莫大のコストを誰が負担すべきか、課題が残る。

[執筆: CMS中国リサーチ部]
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