アリババが金融サービスを拡充、越境支払業務を年内にもスタート

中国最大のEコマース企業アリババ・グループは先月19日にニューヨーク証券取引所に上場し、その資金調達額が米国市場で過去最大の218億ドルに達して話題を呼んだが、9月29日にはアリババ・グループ出資の金融子会社が中国で民営銀行設立の認可を取得。アリババは金融サービス業務範囲をさらに拡大させる。

現地メディア報道によると、10月中旬に発表されるアリババ・グループの新戦略では、長らく準備されてきた「普恵」金融プラットホーム、越境支払(国際決済)、クラウドファイナンス等の新業務がそろって正式発表される見込みで、各サービスは年内に順を追ってスタートする予定。

「普恵」金融プラットホーム業務と越境支払サービス務の詳細はまだ明らかになっていないが、これまでの「タオバオ」、「アリペイ」、「マイクロファイナンス」等のビジネス動向からすると、これらの金融プラットホームは零細企業への貸出と消費者金融関連の機能提供が予測されており、「タオバオ」、「アリペイ」及び新たなネットバンキングのサービスを通して実現されるだろう。

「越境支払」事業は、アリババの「越境EC」事業の拡大と同調して推進されるとみられる。アリババは海外で複数のECサイトを買収しているが、これらのサイトが率先してアリペイの越境支払サービスを導入すると考えられる。また、「アリペイ」は既に複数の海外サードパーティの支払会社や決済会社と事業提携しており、これらの会社もこのサービスに参画する可能性がある。

業界関係者によると、アリババが中国内でネットバンキング業務の認可を取得した直後にこれだけ多くの新しい金融サービスを打ち出しているのは、アリババが金融ビジネスの拡充を急いでいることを意味しており、アリババ・グループは現在の主力である「EC事業」とこの「金融事業」を基盤にした新しいサービスを統合し、アリババ金融サービスシステム構築を完成させて、徐々にECと金融を核とした「アリババ生態圏」を形成していくと見られている。

アリババ・グループのマイクロファイナンス部門では、これまで主にアリババやタオバオに出店している小規模・零細企業に小口融資を提供してきているが、今回、同部門の出資した会社が正式に中国銀行業監督管理委員会(銀監会)からの銀行業務認可を取得したことにより、新たに設立する「浙江網商銀行」では、零細企業と個人消費者の融資需要を満たす「小口預金・小口融資」のサービスが主要業務になる。

具体的には20万元以下の貯蓄商品と500万元以下の融資を提供。これによって、アリババの金融業務はさらに多くの顧客層をカバーでき、より便利な金融サービスが生まれると期待される。
[執筆: CMS中国リサーチ部]

 

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