中国における輸出貿易の現状は厳しく、服装・アパレルや靴などの労働集約型加工製品の輸出がマイナス成長しているなか、玩具市場は成長し輸出入貿易が良い結果を見せた。欧米など世界玩具市場の力強い回復が中国玩具輸出を促し、国内玩具市場では「二人っ子」解禁政策の刺激を受けて穏やかな成長を見せ、また輸入玩具も相次いで進出し、中国市場を狙う。
世界玩具市場の回復
中国は世界最大の玩具製造国と輸出国、広東は中国一の玩具製造輸出省で、中国玩具輸出額の6割を占めている。税関当局の統計によると、2015年中国の玩具輸出額は973.5億人民元、12.1%増である。今年1~2月中国の輸出入総額は3.31億人民元で、前年同期比12. 6%下落した。7カテゴリの伝統的な労働集約型製品において、玩具の他、服装、アパレル、靴、家具、プラスチック製品、スーツケース・バッグがマイナス成長を呈する中、玩具は3.5%成長で127.6億人民元に達した。
国内玩具競争の激化
2015年中国国内玩具の小売市場規模は650億人民元、近年中国玩具市場は約10~15%の成長率を維持している。二人っ子の全面解禁を受け、今後2、3年の国内市場の成長率も加速するだろう。現在国際玩具輸入業者は中国玩具市場への関心が高く、国内市場に進出し、国内玩具企業と二人っ子玩具市場の「市場のパイ」を奪い合っている。
税関当局の統計によると、2015年に中国内陸の玩具輸入額は同期比38.27%急増しており、そのうち「三輪車、スクーターと類似車輪付き玩具、人形車」の2015年輸入台数は同期比50.77%と大幅に伸び、151.5万台に達した。国家統計局の統計によると、2015年中国出生人口は1,655万人、もし1,655万人の出生人口が一人当たり一台のベビーカーを購入すれば、約9%のシェアが輸入品に奪われる計算となる。
中国14歳以下の児童数は2.22億人と推定されている。二人っ子政策が実施されて、毎年2,000万人の新生児が出生すれば、今後数年で玩具消費に急速な成長が見込まれる。中国経済の成長と生活水準の向上に伴い、高取得者層は更に海外有名ブランド製品に目を向け、輸入玩具には広い市場可能性が見込まれる。海外企業はチャンスを見てシェア獲得するのもおかしくはない。中国市場の開放により、マテル、ハズブロ、レゴ等海外玩具大手企業が中国市場で急速な成長を遂げている。
[執筆: CMS中国リサーチ部]
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