複数の大手調査機関の調査結果によると、中国のスマホ携帯市場は、過去2年間の爆発な成長期を経て、今年(2014年)に入ってからその成長スピードが緩む兆候が出始めている。
ただし、「4G」の免許が交付されている「TD-LTE」式と「FDD-LTE」式の試験的運用によって中国の大手携帯キャリア各社及びスマホメーカーが4G市場に注力しているため、当面は4G市場がスマホ市場の成長を引き続き牽引し、「大画面、高解像度、高画素志向」というハード面のトレンドが続くといえる。
2014年上半期に国内で新たに発売された携帯機種を総合的に見ると「画面サイズ=5~5.5インチ、解像度=1,080P、画素数=1,300万画素」などが当たり前のスペックになっている。
このような 「大画面、高解像度」のトレンドは「低温LTPSパネル」の需要増化をもたらす。最近発売された機種「Vivo Xplay 3s」、「栄耀3C(華為)」、「栄耀X1(華為)」、「酷派大観(coolpad)」は、いずれもLTPSパネルを搭載しており、国内パネルメーカーの京東方、友達、鸿海グループなどはLTPS事業への投資増強を加速させているとみられる。
一方、主要携帯キャリア各社は「千元スマホ携帯」(売価千元前後の安価スマホ)を起爆剤として4G市場におけるシェア争奪戦を繰り広げており、スマホメーカー各社はこれに追随するため価格帯が千元レベルの4G携帯の新機種開発を急いでいる。今年すでに発売された「千元スマホ携帯」の機種としては、「中興紅牛V5」、「中興青漾2」、「酷派K1」、「酷派双棒T1」、「華為栄耀3C(4G版)」などが挙げられる。
またSIMカードの供給能力の限界により、2014年上半期の「千元4G携帯」の生産規模は限られる、と指摘する業界専門家もいる。「4G携帯」は多方式多バンド対応できることが何よりも重要であるため、SIMメーカーへの機能要求レベルは高い。
中国最大手のチャイナ・モバイル社は、同社の4G携帯を5方式(TD-LTE、FDD-LTE、W-CDMA、TD-SCDMA、GSM)に対応できるようにする方針を打ち出しており、今後、SIMメーカーの供給力がさらに問われると分析される。
[執筆: CMS中国リサーチ部]
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