中国のポリシリコン輸入量は引き続き増加、前年比25〜30%増の見込み

中国における2014年上半期のポリシリコン(太陽光発電パネル向け多結晶シリコン)の輸入量は4.6万トンに達し、昨年の同時期に比べて17.4%増加した。その輸入量の84%はアメリカ(21.8% )、韓国( 30.0% )、ドイツ( 32.6% )の3か国で占められている。

中国政府は今年1月、ポリシリコン輸入に関して、アメリカと韓国に対する「反ダンピング措置」として高額の関税を課すると発表したが、実際には、この2か国からの輸入のほとんどが加工貿易を通じて高額関税を免れていた。

また、中国は今年4月、EUから輸入されるポリシリコンに対しても高額関税を課す「反ダンピング措置」を発表しているが、これに対し、欧州唯一のポリシリコン大手メーカーであるドイツのワッカー・ケミー社(Wacker)は中国政府と個別に合意事項を締結しており、中国向け輸出のポリシリコン価格が規定価格より安くなければ高額関税を免除できるとする内容にしている。この規定価格は公的に発表されていないが「23米ドル/ kg」と推測される。

しかしながら、2014年上半期には「21-22米ドル/ kg」だった国内メーカーのポリシリコン販売価格が下半期には(最低価格基準と同じ)「23米ドル/ kg」を上回る価格に値上がりすることが予想されており、Wacker社との合意事項は安価製品輸入を制限し国内メーカーの価格優位性を保つ策として必ずしも有効ではなくなる。

全体的に見ると中国政府が2012年からスタートしたポリシリコンの貿易救済施策は主要輸入元3か国にとって実質的制限になっていない状況であり、また今後のポリシリコンの輸入量は市場需要の動きによって決まるが、現在のところ、このまま輸入量は増え続けて2014年の年間ポリシリコン輸入量は「10〜10.5トン、前年比25〜30%増」まで達すると予測されている。

なお、中国の国内メーカーの2014年度のポリシリコン生産量も「11〜12万トン、前年比34~46%増」と大幅に伸びることが予想されている。これらの生産量の9割以上は保利协鑫,特变,洛阳中硅,大全,昱辉の国内5大メーカーで生産されている。

よって、海外輸入品と合計すると中国市場における2014年度のポリシリコンの予測総供給量は21〜22.5万トンとなり、39-40GWのシリコンウェーハ生産に充たる。

[執筆: CMS中国リサーチ部]

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